油菓子のこととか
母方の祖母が亡くなりました。
いっしょに暮らしていたわけではないけれど、
いつも明るくて、たのしくて、
祖母のつくる、油菓子が僕は大好きでした。
(油菓子というのは、あまり一般的ではないとおもうのだけれど、
たぶん、小麦粉やら砂糖やらをまぜて、かたく棒状にして油であげたものです。
かりんとうと、沖縄のサーターアンダギーを足して割ったようなかんじのたべものです。)
いっしょに暮らしていた、父方の祖母が亡くなったときには、
やっぱり少なからずセンチメンタルな気持ちになったものだけれど。
もちろん今回も、センチメンタルな気持ちがないわけではないけれど、
祖母の人柄ゆえか、
集まったいとこや親戚たちも、
「明るくたのしく送り出してあげよう」
といった雰囲気で、
冗談をとばしたり、なごやかでおだやかな空気につつまれていました。
そんななかで僕は、こんなのって、なんだかいいなあって、ぼんやりとおもっていました。
もちろん、故人を悼む気持ちはみんなそれぞれにかかえていて、
そのうえで、今回はみんなの意思がそんな空気をつくりだしたのでしょう。
それもひとえに、祖母の生前の人柄やおこない故なのだとおもったのです。
自分が死んだあとで、どんなふうに送り出してもらえるかって、
もちろん、直接コントロールできることではないけれど。
日ごろのおこないや人柄によって、
実はある程度コントロールできるものなのだなって。
僕には、自分のお葬式がどんなになるかなんて、まだ想像もできないけれど。
気持ちよく送り出してもらえるように、
しっかり自分らしく生きなきゃな、
なんておもったのでした。